【令和2年7月豪雨】相続放棄の熟慮期間の特例

令和2年7月3日以降に発生した「令和2年7月豪雨」で、熊本県、福岡県、大分県を中心に九州地方や中部地方など日本各地で発生し、河川の氾濫等による浸水被害が出ました。

 

東日本大震災や令和元年台風19号により被災された方対象に、相続放棄に関する特例措置が出されましたが、今回も同様の特例措置が出ています。

 

 

 

通常の相続放棄

亡くなった方の相続について相続放棄をするとき、原則として相続が開始したことを知ったときから3か月以内に家庭裁判所で手続きをする必要があります。

 

「原則として」と書いていますように、例外的に3か月を過ぎてから相続放棄の手続きをした場合でも認められるケースはありますが、通常の相続の場合は、3か月以内に家庭裁判所に申し立てをするようにすべきです。

 

くわしくは、相続放棄のページをご覧ください。

 

 

特例措置の内容

令和2年7月豪雨による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令」が令和2年7月17日に公布・施行され

  • 令和2年7月3日(令和2年7月豪雨による災害発生日)において、令和2年7月豪雨に際し災害救助法が適用された災害発生市町村の区域に住む相続人について
  • 熟慮期間(相続を承認するか放棄するかを判断する期間)を令和3年3月31日まで延長する

ことになりました。

令和2年7月豪雨による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令

(特定非常災害の指定)
第1条 特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律(以下「法」という。)第2条第1項の特定非常災害として令和2年7月豪雨による災害を指定し、同月3日を同項の特定非常災害発生日として定める。

 

(相続の承認又は放棄をすべき期間の特例に関する措置に係る地区及び期日)
第6条 第1条の特定非常災害についての法第6条の政令で定める地区は、令和2年7月豪雨に際し災害救助法(昭和22年法律第118号)が適用された同法第2条に規定する災害発生市町村の区域とする。

2 第1条の特定非常災害についての法第6条の政令で定める日は、令和3年3月31日とする。

 

 

特例措置の対象エリア

令和2年7月豪雨に際し災害救助法が適用された災害発生市町村の区域が対象となります。

 

対象エリアの詳細は、内閣府ホームページの「災害救助法の適用状況」をご覧ください。

 

令和2年7月18日内閣府(防災担当)「令和2年7月3日からの大雨による災害にかかる災害救助法の適用について【第10報】」より

長野県

松本市
飯田市
伊那市
安曇野市
上伊那郡宮田村
下伊那郡阿南町、阿智村、下條村、売木村
木曽郡上松町、南木曽町、王滝村、大桑村、木曽町

岐阜県高山市
中津川市
恵那市
飛驒市
郡上市
下呂市
島根県江津市
福岡県大牟田市
八女市
みやま市
久留米市
佐賀県鹿島市
熊本県八代市
人吉市
水俣市
上天草市
天草市
葦北郡芦北町、津奈木町
球磨郡錦町、多良木町、湯前町、水上村、相良村、五木村、山江村、球磨村、あさぎり町
荒尾市
玉名市
山鹿市
菊池市
玉名郡玉東町、南関町、長洲町、和水町
阿蘇郡南小国町、小国町
大分県日田市
由布市
玖珠郡九重町、玖珠町
鹿児島県阿久根市
出水市
伊佐市
出水郡長島町
鹿屋市
曽於市
志布志市
垂水市
薩摩川内市
いちき串木野市
曽於郡大崎町

 

 

特例措置の対象者

令和2年7月3日に上記対象エリアに住所を有していた相続人であることが必要です。

※相続人が相続の承認または放棄をせず亡くなった場合には,その方の相続人が対象となります。

 

※相続人が未成年者・成年被後見人の場合は、その方の法定代理人が対象となります。

 

 

特例措置の対象となる相続

令和2年7月豪雨により被災されてお亡くなりになった方の相続に限られません。

令和2年7月3日よりも前に発生した相続で、熟慮期間の終期が令和2年7月3日以降の日になるケースも、令和3年3月31日まで熟慮期間が延長されることになります。

 

(参考)法務省ホームページ
相続放棄等の熟慮期間の延長について~

法務省ホームページより

 

裁判所ホームページ

裁判所ホームページより

 

なお、一般的な相続放棄のことについては、当事務所ホームページの相続放棄のページをご覧ください。

 

 

投稿者プロフィール

落石 憲是
落石 憲是司法書士
おちいし司法書士事務所の代表の落石憲是です。代表と言っても、司法書士ひとりの事務所です。ホームページはすべて私自身で書いています。

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