相続登記における被相続人の同一性証明

相続登記に必要な書類の中に「被相続人の同一性を証する書面」があります。

 

被相続人の同一性を証する書面とは?

被相続人の同一性を証する書面とは、登記簿上の所有者Aと戸籍上のAが同一人物であることが分かる書類のこと。

なぜ、そのような書類がいるかというと、戸籍には、「本籍地」と「氏名」は書いてありますが、「住所」が分かりません。

「登記簿上の住所」と「本籍地」が記載された証明書があれば、同一人物であることを証明できます。

被相続人の名義の不動産の登記簿上の住所が本籍地と異なるときは、

  • 本籍地の記載がある住民票の除票
  • 戸籍の附票

で、登記簿上の被相続人が戸籍の被相続人を同一人物であることを証明します。

 

戸籍の附票などが廃棄されていたら?

亡くなられてすぐに相続登記をする場合は、戸籍の附票や住民票などは取れるので問題ないのですが、長い間名義変更をせずにいると、戸籍の附票や住民票が廃棄されて取れないことがあります。

(住民票や戸籍の附票の保存期間は現状では5年となっていますが、もっと長くしていただきたいものです。)

戸籍の附票などが取れないときは、下記の通達が出るまでは、

  • 不在籍証明書、不在住証明書
  • 登記済証(いわゆる権利証)
  • 固定資産税の評価証明書

などを添付していましたが、通達(平成29年3月23日民二第174号)が発出されました。

被相続人の同一性を証する情報として住民票の写し等が提供された場合における相続による所有権の移転の登記の可否について

相続による所有権の移転の登記(以下「相続登記」という。)の申請において,所有権の登記名義人である被相続人の登記記録上の住所が戸籍の謄本に記載された本籍と異なる場合には,相続を証する市区町村長が職務上作成した情報(不動産登記令別表の22の項添付情報欄)の一部として,被相続人の同一性を証する情報の提出が必要であるところ,

当該情報として,

  • 住民票の写し(住民基本台帳法第7条第5号,第12条。ただし,本籍及び登記記録上の住所が記載されているものに限る。)
  • 戸籍の附票の写し(同法第17条, 第20条。ただし, 登記記録上の住所が記載されているものに限る。)
    又は
  • 所有権に関する被相続人名義の登記済証(改正前の不動産登記法第60条第1項)

の提供があれば,不在籍証明書及び不在住証明書など他の添付情報の提供を求めることなく被相続人の同一性を確認することができ,当該申請に係る登記をすることができる。

 

実は、過去に、これに関することで法務局から補正するよう指示されたことがありました。
相続登記で、被相続人の登記簿上の住所と本籍地が異なるケースで、登記簿上の住所が載っていると思われる戸籍の附票が廃棄処分されていたので、登記済証を添付して申請したところ、

法務局から、「不在籍証明書と不在住証明書を追加してください!」と言われたのです。

今回の通達が出た以降だったら、補正の指示はなかったでしょうね。

 

通達には、

所有権に関する被相続人名義の登記済証

とあるので、被相続人名義への登記をしたときに「登記識別情報」を交付されていたなら、その登記識別情報のほか、不在籍証明書と不在住証明書も合わせて添付しなければならないということになりそうですね。

 

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