相続登記の登録免許税の免税措置

毎年、3月末は来年度の税制改正が気になります。

平成30年度分については、昨日(3/28)、衆議院を通過して成立しました。司法書士としては、登記手続きにかかる登録免許税が一番注目するところです。よくあるのが、租税特別措置法で減税措置が「○年3月31日」で期限切れとなるものの期限を延ばすというものです。

⇒その点については、平成30年4月1日以降の登録免許税(軽減措置の適用期限延長)をご覧ください。

 

平成30年度の税制改正では、相続登記についての免税措置が新設されました。

 

相続登記とは?

不動産をお持ちの方がお亡くなりになった後、その不動産を相続人の名義に変更することを相続登記と呼んでいます。

最近、「所有者不明土地」について、よく見聞きされるのではないでしょうか?

その原因の1つとして挙げられているのが、相続登記が長年放置されていること。登記簿には、所有者の住所と氏名が載っているのですが、その所有者が亡くなっても名義変更を済ませておかないと、登記簿を見ても、今、誰のものなのかがはっきりしないからです。

相続登記は手間と費用がかかるのですが、放っておくと、遺産分割協議書に判を押してもらう人(相続人)の数が増えることで、ますます名義変更が難しくなり、費用がかかることにもなりかねません。

お早めに名義変更のお手続きをされることをオススメします。

名義変更の登記は、ご自分でも手続きすることは可能ですが、専門的な手続きですので、難しい面もあろうかと思います。不動産の登記のことは、専門家である司法書士におまかせください。

相続登記(相続による名義変更)の手続きのことはコチラをご覧ください

 

相続登記の免税措置

平成30年度の税制改正で、期間限定ではありますが、一部のケースで、名義変更登記の際に納める登録免許税が免除される制度が創設されました。

 

(相続に係る所有権の移転登記の免税)

第84条の2の3 個人が相続(相続人に対する遺贈を含む。以下この条において同じ。)により土地の所有権を取得した場合において、当該個人が当該相続による当該土地の所有権の移転の登記を受ける前に死亡したときは、平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間に当該個人を当該土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記については、登録免許税を課さない

2 個人が、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(平成30年法律第49号)の施行の日から平成33年3月31日までの間に、土地について相続による所有権の移転の登記を受ける場合において、当該土地が相続による土地の所有権の移転の登記の促進を特に図る必要があるものとして政令で定めるものであり、かつ、当該土地の当該登記に係る登録免許税法第10条第1項の課税標準たる不動産の価額が10万円以下であるときは、当該土地の相続による所有権の移転の登記については、登録免許税を課さない

第1項の免税

免税措置を受けることができる要件
  1. 相続による土地の所有権移転登記
  2. 相続により土地を取得した者Xが相続登記をしないうちに死亡
  3. Xの相続人が平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間に、X名義とする相続登記

 

平成30年3月31日付法務省民二第168号「租税特別措置法第84条の2の3第1項の規定の施行等に伴う不動産登記事務の取扱いについて(通知)」が発出されました。

今回の措置は、いわゆる数次相続が生じていることを主に想定したものであるが、ここでいう「個人が相続により土地の所有権を取得した場合において、当該個人が当該相続による当該土地の所有権の移転の登記を受ける前に死亡したとき」とは、登記名義人である被相続人Aから相続人Bが相続により土地の所有権を取得した場合において、相続人Bが被相続人Aからの相続による土地の所有権の移転の登記を受ける前に死亡したときをいう。
したがって、当該土地の所有権が相続人Bの死亡による相続を原因としてBの相続人(例えばBの子など)に更に移転していることまでを要件とするものではない。すなわち、例えば、当該土地について相続人Bが生存している間に相続人Bから第三者に売買等がされていたとしても、それをもって法第84条の2の3第1項の適用外となるものではない

「当該個人を当該土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記」とは、死亡した相続人Bを当該土地の所有権の登記名義人とするために受ける、被相続人Aからの相続による土地の所有権の移転の登記をいう。
また、例えば、相続人Bに、存命する同順位の相続人が存在し、当該土地が当該同順位の相続人と相続人Bとの共有により相続されている場合には当該個人を当該土地の所有権の登記名義人とするために受ける登記」として法第84条の2の3第1項の適用により免税措置を受ける範囲は、相続人Bが所有権の移転を受ける持分に相当する部分となる。

法第84条の2の3第1項の適用を受けようとするときの申請情報の記載は、例えば、登録免許税の欄に「租税特別措置法(又は昭和32年法律第26号)第84条の2の3第1項により非課税(あるいは、一部非課税)」などとする。

法第84条の2の3第1項の適用を受けるための特段の証明書類は要しない

 

第2項の免税

免税措置を受けることができる要件
  1. 所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(仮称)の施行の日から平成 33 年3月 31 日までの間
  2. 市街化区域外の土地で市町村の行政目的のため相続登記の促進を図る必要があるものとして法務大臣が指定する土地について相続登記【平成30年度税制改正の大綱より】
  3. 相続登記の時における土地の価額が10万円以下

法務大臣が指定した土地については、なんらかの証明書を添付することになるのでしょうね。

依頼を受けた相続登記で、2項の要件に該当する土地が含まれる場合は、課税価格に含めないように注意しないといけません。

※詳細については、通達等が出てから追記します。

法第84条の2の3第2項の規定の施行の日は、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法の施行の日とされている(改正法附則第1条第20号)ところ、同法案は、国会で審議中であるため、法第84条の2の3第2項に関する不動産登記事務の取扱いについては、同法案の成立後に別途通知する。(平成30年3月31日付法務省民二第168号通知)

 

相続登記にかかる登録免許税の免税措置は、相続登記を促進させるための施策なのでしょうが、ごく限られた相続登記にしか適用がないので、効果はあるのでしょうか?

 

※法務局のホームページにも解説がupされています。

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