共有者の一人が他の共有者の持分全部を取得して単有となった後に住所移転したケースの住所変更登記

いつも、おちいし司法書士事務所のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
さて、今日は、共有者の一人が他の共有者の持分全部を取得して単有となった後に住所移転したケースの住所変更登記のお話です。
このページには、以下のことを書いています
所有権登記名義人住所変更登記とは?
ある権利につき移転、設定または抹消(例えば、所有権移転、抵当権設定、これらの抹消)の登記を申請する場合において、登記簿に記載された登記名義人の住所(本店)または氏名(商号)に変更が生じているときは、原則として、登記名義人の表示変更登記を申請しなければなりません。
所有権登記名義人住所変更登記は、登記簿の甲区に登記された所有者の住所を変更する登記のことです。
この登記を入れずに、例えば、売買による名義変更登記を申請したら、法務局は登記を受け付けてくれませんので、取り下げなければなりません。
一見、簡単にも見える登記ですが、司法書士にとっては見逃したら恐ろしい登記の一つなのです。
共有者のCがA・Bの持分全部を取得してCの単独所有(単有)となった後に、Cが住所移転したとき
登記簿が次のようになっているケースを考えます。
順位番号 | 登記の目的 | 権利者その他の事項 |
1 | 所有権移転 | 原因 年月日売買 共有者 久留米市日吉町16番地1 持分3分の1 A 久留米市日吉町16番地1 3分の1 B 久留米市日吉町16番地1 3分の1 C |
2 | A持分全部移転 | 原因 年月日相続 共有者 久留米市日吉町16番地1 C |
3 | B持分全部移転 | 原因 年月日相続 所有者 久留米市日吉町16番地1 C |
Cが久留米市城南町15番地3に引っ越したあと、この不動産を売却したり、抵当権を設定したりする前提として、Cの住所の変更登記が必要になります。
※業界用語で「名変(めいへん)」と呼んでいます。一般的に「名変」といったら「名義変更」のことかもしれませんが。
数回にわたって持分を取得した後に住所移転をした場合、
登記の目的は、「1番、2番、3番登記名義人住所変更」とし、
変更後の事項は、「共有者及び所有者Cの住所 久留米市城南町15番地3」とはせず、
「住所 久留米市城南町15番地3」とすることになっています。
ちなみに、この登記を申請する際に必要になる書類は、住所移転の経緯がわかる住民票や戸籍の附票です。
当事務所が受任したケース
お客さまからご依頼いただいたケースで、以下のような登記簿がありました。
順位番号 | 登記の目的 | 権利者その他の事項 |
1 | 所有権移転 | 原因 年月日売買 共有者 久留米市日吉町16番地1 持分3分の1 A 久留米市日吉町16番地1 3分の1 B 久留米市日吉町16番地1 3分の1 C |
2 | A持分全部移転 | 原因 年月日相続 共有者 久留米市日吉町16番地1 C |
3 | B持分全部移転 | 原因 年月日相続 共有者 久留米市日吉町16番地1 C |
上記通達の登記記録例では、(注)に乙某が取得する(つまり、持分を取得して乙某の単独所有となる)場合は、「所有者」とすると書かれていますが、このケースでは、「共有者」と登記されていました。
私は、この物件のほかに、C単独所有の物件の住所変更とを一括して、
登記の目的 登記名義人住所変更(順位番号後記のとおり)
変更後の事項 共有者及び所有者Cの住所 久留米市城南町15番地3
として申請したところ、
◯番の土地についても「所有者」となっていますので、以下のとおり補正願います。
「変更後の事項」 住所
と、法務局から補正のメールが来ました。(;´д`)トホホ…
登記簿に忠実に申請したのに。。。
投稿者プロフィール

ご相談予約
ご相談は、司法書士 落石憲是 がすべて対応いたします。予約制となっておりますので、ご来所の際は必ず事前にご予約ください。
ご相談の予約方法
お電話(0942-32-0020)またはお問い合わせフォームからお願いいたします。
フォームからのお問い合わせには、原則として当日中にメールでご返信いたします。
万が一、24時間以内に返信が届かない場合は、何らかのトラブルが発生している可能性がございます。
お手数ですが、再度ご連絡いただきますようお願いいたします。