一般社団法人も、みなし解散があります

特例有限会社や合同会社のように、定期的な役員変更登記が不要な法人がある一方、
株式会社や一般社団法人などのように少なくとも何年かごとに役員変更登記が必要な法人があります。

 

みなし解散とは?

会社法になって、株式の譲渡制限がある株式会社は、取締役や監査役の任期を最長で10年まで伸ばすことができるようになりましたので、本店所在地や事業目的などの登記事項に変更をしなかったとしても、少なくとも10年に1度は役員変更登記をしなければなりません。

株式会社の場合は、最後の登記から12年が経過したら、法務局から「休眠会社」と判断され、その会社にはみなし解散の通知が届きます。

これは「休眠会社の整理手続き」と呼ばれる手続きで、法務局からの通知も無視すると休眠会社とみなして、法務局が職権でその会社の登記簿に解散の登記がなされます。

このような「解散」の登記が入ります

 

一般社団法人の役員の任期

一般社団法人も、株式会社と同じように定期的な理事や監事の変更登記が必要です。

(一般財団法人や公益社団法人、公益財団法人も同様なので、ここでは、一般社団法人を中心に説明します。)

 

一般社団法人の理事の任期は、

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第66条(理事の任期)

理事の任期は、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。ただし、定款又は社員総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない

と定められています。

理事の任期は、株式会社の取締役と違って任期を伸ばすことができませんので、約2年を超えることはありません。

 

また、一般社団法人の監事の任期は、

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第67条(監事の任期)

1 監事の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとする。ただし、定款によって、その任期を選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時社員総会の終結の時までとすることを限度として短縮することを妨げない

2 前項の規定は、定款によって、任期の満了前に退任した監事の補欠として選任された監事の任期を退任した監事の任期の満了する時までとすることを妨げない。

3 前二項の規定にかかわらず、監事を置く旨の定款の定めを廃止する定款の変更をした場合には、監事の任期は、当該定款の変更の効力が生じた時に満了する。

とあります。

定款で約2年に任期を縮めたり、前任者が退任して、そのピンチヒッターで就任した監事は任期が短くなることはありますが、監事の任期は約4年を超えることがありません。

 

一般社団法人のみなし解散

一般社団法人にも、株式会社と同様に、みなし解散の制度があります。

株式会社との違いは、対象となる一般社団法人は、その法人の最後の登記から5年経過しているという点。

株式会社より期間が短いので要注意です。

 

平成26年度以降は、毎年、休眠会社の整理手続きが実施されていますので、監事の変更登記の年度にしていなかったら、その翌年度は休眠法人の整理手続きの対象となります。

 

もしみなし解散されたら、もう法人は続けていけないのか?

法人としては活動しているけど、登記手続きを怠ってしまって、解散の登記をされた場合でも、引き続き法人として活動していく方法はあります。

みなし解散された後、3年以内であれば、社員総会の決議を経て、法人の継続の登記をして、登記簿を復活させることができます。

法人の登記簿を復活させることができて、めでたしめでたしとはなりません。

 

おそらく、後日、裁判所から代表者あてに「過料決定通知書」が届くことになります。過料とは、罰金のようなものですが、刑事罰ではなく行政罰です。

過料が課せられることがないように、役員の任期ごと、法人の登記簿に載っている事項に変更が生じたら、すぐに手続きをしましょう!

 

当事務所にご依頼いただいた会社や法人には、役員変更の時期が来たらご案内するようにしています。

法人の内部で、法人の登記のことまで手がまわらないようであれば、会社・法人登記の専門家の司法書士にご相談されることをオススメいたします。

 

おちいし司法書士事務所へのお問い合わせはコチラからどうぞ

 

社団法人の登記についての書籍

会社関係の書籍は数多く出版されていますが、社団法人の登記関連の本は少ないですね。

先日、社団法人設立のお問い合わせをいただきましたので、最近改訂本出たばかりのこの本を購入しました。

 

この本は、登記だけでなく、税務・会計についても書かれいています。
ただ、当事務所にあるのは初版本。社団法人さまからのご依頼が増えれば、買い替えます(笑)

 

公益認定をお考えなら、このような本もいいかも。(すいません、当事務所にはありません。)

 

「理事・監事・評議員になったらまず読む本」なんていう本もあるんですね。

 

このサイトをフォローする!

投稿者プロフィール

落石 憲是
落石 憲是司法書士
おちいし司法書士事務所の代表の落石憲是です。代表と言っても、司法書士ひとりの事務所です。ホームページはすべて私自身で書いています。

ご相談予約

おちいし司法書士事務所へのご相談予約・お問い合わせは、電話0942-32-0020へ
福岡県久留米市のおちいし司法書士事務所では、ホームページを見てお問い合わせいただいた、個人のお客さまからのご依頼を大切にしています。ご相談は司法書士 落石憲是がすべて対応します。ご相談は予約制ですので、お越しになる際は必ずご予約ください。

ご相談予約は、電話(0942-32-0020)か、お問い合わせフォームからお願いします。フォームからのお問い合わせには、原則、その日のうちにメールでお返事いたします。万が一、24時間経ってもメールが届かないときは、何らかのトラブルが生じていると思います。お手数ですが、もう一度ご連絡いただきますようお願いいたします。