行政書士試験の勉強法
2006(平成18)年に司法書士試験に合格して、翌年、簡易裁判所認定考査に合格して以降、仕事の上で必要な勉強以外していませんでした。
今後の仕事の方向性を考える中で、業際(他の士業の業務範囲との境界)を気にせずに仕事ができるよう、行政書士の資格を取ってみようかと思ったのが、2018(平成30)年の試験の申込み期間の締切間近でした。
そこから、バタバタと勉強を始め、結果、2回でなんとか合格できました。
これはその記録です。
このページには、以下のことを書いています
1年目に使った教材
とにかくテキストと過去問が必要ですので、本屋に並んでいる本を見比べ、
私は、個人的にイラストが多いもの、多色刷りのものが好きではないので、
LECの教材を使うことにしました。
テキストは少し分厚いので、持ち運びやすくするよう、バラバラにして使用しました。
これは、司法書士試験の勉強しているとき、六法をバラバラにして使用したのと同様です。
過去問集も、テキストと同様、バラバラに。
あと、行政法関連の条文は、判例つき六法(模範六法?)を図書館で拡大コピーして使用しました。
仕事で使っている六法は登記六法で、行政法関連が手薄なので。
1年目の勉強法
司法書士試験のときは、早稲田セミナーの竹下先生のビデオコースを受講して、その日のうちに復習で、ノートに書いたことをテキストに書き込んで情報を一元化。
勉強した箇所の過去問を解いて、テキストに出題年度をメモしていました。
行政書士試験の勉強では日がないので、そんなていねいな勉強はせず、テキストの記述も少なく、ザーッとテキストを読んでは過去問を解いていく感じでした。
司法書士試験で民法と会社法は勉強していましたので、ひととおり解いて、あとは間違えたところだけ繰り返し復習。
問題は、行政法関連。出題数も多く、重点的に勉強しました。
が、全然おもしろくありませんね、行政法は。
民法は身近な事柄に置き換えながら勉強できますが、行政手続きは縁遠く、何度も挫折しそうになりました。
1年目の結果
平成30年度の試験結果は、以下のとおり、合格ラインが180点以上のところ、146点で不合格でした。
- 行政法が半分も取れていなかった
- 記述問題で点が取れなかった
ところが敗因。
2年目に使った教材、勉強法
せっかく行政書士試験の勉強を始めし、2020年には民法の債権法と相続法の改正が控えていたため、何としても2回で合格しようと、1月から勉強をスタートしました。
ひたすらこの問題集を解いて、間違った問題に付箋を貼って、繰り返し勉強しました。
(最後までたくさんの付箋を貼った状態で試験に挑むことにはなりましたが(笑))
この問題集のいいところは、選択肢の肢ごとに整理されているので、1問ずつしっかり確認できる点です。
通常の過去問どおりに解くと、組み合わせ問題のときは1つの肢が分かれば、あとは組み合わせで選択肢を絞ることができるので、肢ごとにしっかりと正誤判断をせずに回答しがちです。(少なくとも私は。)
あと行政法の条文を確認するために、「択一六法 行政法」を使いました。
これは司法試験向けの教材ですが、条文を確認できるだけでなく、判例も載っているので、過去問に出てきた判例を確認でき重宝しました。
また、手続きの流れをフローチャートで図示されていたり、表にまとめてあったりしているところも役立ちました。
テキストではありませんが、LECの横溝講師のブログを読んでいました。
2年目の結果
令和元年度の試験結果は、以下のとおり、合格ラインが180点以上のところ、180点でギリギリ合格でした!
自己採点をしたときは、1~2問分、点が足りなてないと思っていましたが、記述式のところが予想以上に点が取れていたから、なんとか合格できました。
択一式の点数は、1年目とあまり変わらないという残念ながら結果とはなりました。
資格試験というのは、試験に合格してやっとスタートラインに立てた状態です。
これまでに、
- 古物商を始めるので、手続きをお願いできますか?
- これまで個人事業主として建設業をしていたけど、法人成りするので、建設業の免許関係までお願いできるか?
といったお問い合わせは数多くいただいていましたが、
業の免許関係は行政書士の業務範囲で、私は行政書士の資格を持っていないので、登記業務以外はお断りしていました。
これから、行政書士の登録をして、実務の勉強をして、司法書士業務から派生する農地法の許可手続きなどを受任できればと考えているところです。
司法書士試験と行政書士試験の違い
司法書士試験は、不動産登記や商業登記の申請書の記載事項や、手続きに必要な添付書類のこと、
登記先例など、実務に即した形で勉強するので、勉強していて面白かったです。
(何度やっても覚えられず、つらいことのほうが多かったですけど。)
一方、行政書士試験は、実務でよくあるであろう許認可手続きのことはまったく出題されず、
行政書士の基本となる法律・行政書士法すら勉強しないので、
試験勉強では実務のことがまったくイメージできず、面白みを感じず、何度も挫折しそうになりました。
一般知識なんかを廃止して、少なくとも行政書士法を出題範囲に入れて、
行政書士は何ができて、何をやったら、他士業法違反になるのかくらいは分かっておかないといけないのではないかなと感じました。
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