離婚の日付、財産分与の日付
司法書士にも、時々、離婚にからむ相談をいただきます。
その多くが、不動産の財産分与による名義変更登記について。
離婚の手続きは、大きく分けて
- 協議離婚
- 裁判上の離婚(調停、審判)
です。
財産分与の登記をする際、財産分与の話し合いが成立したのが
- 離婚成立の前か
- 離婚成立の後か
を確認する必要があります。
日付は登記簿に載りますので、司法書士としては気になるところです。
このページには、以下のことを書いています
協議離婚の場合
話し合いで離婚をされる場合は、
- 結婚期間中に築いた財産をどのように分けるか(財産分与)
- 未成年の子どもがいれば、その養育費
- 慰謝料
などを決めることになります。
▼Q:離婚を考えたときに、考えるべきことはなんですか?
その話し合いが成立した段階で離婚が成立するのではなく、
役場に「離婚届」を提出することで離婚が成立することになります。
財産分与の協議が成立して、離婚届を提出した場合
9/9=離婚届を出した日
9/14=財産分与の登記を申請
この場合は、離婚届を出した9/9が財産分与の日付(原因日付)となります。
(財産分与の請求は、離婚後にできるため)
離婚届を出した後に、財産分与の協議が成立した場合
9/12=財産分与の協議が成立した日
9/14=財産分与の登記を申請
この場合は、財産分与の話し合いが成立した9/12が財産分与の日付(原因日付)となります。
いずれのケースでも、離婚の日付を確認する必要がありますので、
登記申請時の添付書類ではありませんが、戸籍謄本をご準備ください。
ちなみに、協議離婚による財産分与の登記は、名義変更登記の原則どおり、お二人とも手続きに関わっていただきます。
必要書類等は、財産分与による名義変更のページをご覧ください
裁判上の離婚の場合
離婚の裁判が確定したときは、裁判が確定した日から10日以内に、裁判の謄本を添付して、離婚届を届け出なければなりません。
(戸籍法77条、63条)
戸籍法第77条 第63条の規定は、離婚又は離婚取消の裁判が確定した場合にこれを準用する。
② 前項に規定する離婚の届書には、左の事項をも記載しなければならない。
一 親権者と定められた当事者の氏名及びその親権に服する子の氏名
二 その他法務省令で定める事項
戸籍法第63条 認知の裁判が確定したときは、訴を提起した者は、裁判が確定した日から10日以内に、裁判の謄本を添附して、その旨を届け出なければならない。その届書には、裁判が確定した日を記載しなければならない。
② 訴えを提起した者が前項の規定による届出をしないときは、その相手方は、裁判の謄本を添付して、認知の裁判が確定した旨を届け出ることができる。この場合には、同項後段の規定を準用する。
離婚届には、【裁判が確定した日】を記載するようになっていますので、裁判上の離婚の場合は、離婚届を提出した日ではなく、離婚の裁判が確定した日が離婚日となります。
裁判上の離婚は、協議離婚の場合と異なり、離婚調停で不動産を取得することになった方お一人で登記手続きをすることができます。
必要書類等は、財産分与による名義変更のページをご覧ください
登記先例
あらかじめ離婚届を出すことを条件とし、「離婚による財産分与を登記原因とする所有権移転登記手続をする」旨の調停条項を内容とする調停調書に基づく所有権の移転登記の申請は、執行文が付与された右調停調書の正本を登記原因証書とし、登記原因日付は離婚届出の日とする。
(登記研究526-192)
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