秘密証書遺言のゆくえ
先日、公証役場で公証人と雑談をしていたとき、遺言のことをお聞きしました。
このページには、以下のことを書いています
公正証書遺言の件数
最近は、年々増加傾向の公正証書遺言ですが、平成28年に少し減ったけど、また昨年は増加したそうです。
暦年 | 遺言公正証書作成件数 |
---|---|
平成20年 | 76,436件 |
平成21年 | 77,878件 |
平成22年 | 81,984件 |
平成23年 | 78,754件 |
平成24年 | 88,156件 |
平成25年 | 96,020件 |
平成26年 | 104,490件 |
平成27年 | 110,778件 |
平成28年 | 105,350件 |
平成29年 | 110,191件 |
(日本公証人連合会ホームページより)
たしかに、公証役場に行くときは、遺言手続きの最中であったり、相談されてあったりすることが多いような気がします。
秘密証書遺言はほとんど利用されていない
おもな遺言として、自筆証書遺言(手書きの遺言)、公正証書遺言がありますが、秘密証書遺言という制度もあります。
秘密証書遺言は、
- 遺言者が遺言に署名押印をする
- 遺言を封筒に入れて、遺言書に押した印鑑で封印する
- 封書を公証人と証人2人以上の前に提出して、自らが遺言者である旨と遺言者本体の筆者の氏名住所を申述する
(※秘密証書遺言は、遺言書の本文を他の人に書いてもらうことができます。)
という要件を満たさなければなりません。
もし、これらの要件を満たさない場合でも、自筆証書遺言の要件を満たしていれば、自筆証書遺言として成立することもあります。
秘密証書遺言は、公証役場での手続きが必要ですが、公証人は遺言書の文面を見ることなく(封筒に入っている状態の遺言しか見ずに)認証するので、非常に不安だとおっしゃっていました。
秘密証書遺言はほとんど取り扱うことはないようです。
自筆証書遺言を法務局で保管する制度ができたら
今、国会に「法務局における遺言書の保管等に関する法律案」が提出されています。
『高齢化の進展等の社会経済情勢の変化に鑑み、相続をめぐる紛争を防止するため、法務局において自筆証書遺言に係る遺言書の保管及び情報の管理を行う制度を創設するとともに、当該遺言書については、家庭裁判所の検認を要しないこととする等の措置を講ずる必要がある』からだそうです。
秘密証書遺言は遺言の存在しかわかりません(公証役場には遺言の文面は保管されません)が、自筆証書遺言の保管制度では、遺言の文面が保管されます。
この法律が成立したら、遺言を執行することまで考えると、秘密証書遺言はますます利用されなくなりそうですね。
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